2008年 09月 16日
観音の里めぐりⅠ 己高閣・世代閣 |
夏休みは京都に行ったのだが、今回はすこし足を延ばして琵琶湖までドライブすることにした。運転は細君に任せて、北山から琵琶湖にいたる景色を楽しむ。
琵琶湖の北岸は、別名観音の里と呼ばれ多くの優美な観音像を見ることができるため、仏像好きは一度は訪ねてみたい場所である。
この地方には、己高山(ここうざん、地元では「こだかみやま」と呼ぶらしい)という古くからの信仰の山があり、かつては山頂の鶏足寺を中心に多くの別院や塔頭が立ち並んでいたらしい。
これらの寺は明治の廃仏毀釈を経て荒廃してしまい、それらの文化財を守るために昭和になって建設された収蔵庫が最初に訪問した己高閣(ここうかく)と世代閣(よしろかく)である。
己高閣には主として鶏足寺を中心とした己高山の諸仏が、世代閣にはその他の周辺寺院の文化財がおさめられている。
かなり狭い登り道を車で上がると駐車場があった。収蔵庫向かいの事務所からおじさんが出てきて己高閣の鍵を開けてくれる。ガイドブックには90体の仏がおさめられていると書いてあったので大きい施設を想像していたのだが、意外と小さい一室だけの収蔵庫だ。
収蔵庫をはいると正面には観音寺の十一面観音があった。この地方は十一面観音の宝庫であり、この観音様が一人めということになる。かなり傷んでいるがバランスのとれた美しい観音様だ。かなり彩色が残っている。
この収蔵庫で一番目をひくのが右側に並ぶ平安時代の七仏薬師如来立像である。七薬師というのは初めて見た。己高閣以外には千葉の寺の一例があるのみなのだそう。前から見るとふくよかなのだが、横から見ると全体的には板状の体形をしている、つまり半分レリーフのような作りなのだ。当時の彫像技術の一端がうかがえて面白い。
その他、兜跋毘沙門天など相当に傷んだ仏像がいくつかあり、寺の荒廃の様子が想像できる。
上部の棚には小さな仏像が並んでおり、これらを全部合計すると90体ということで、収蔵庫の大きさに納得して次の世代閣へ移る。
世代閣は己高閣のすぐ後ろにあり、ほぼ同じ大きさの建造物である。
世代閣の内部正面には、とてもふくよかでどっしりとした薬師如来が鎮座している。そして右側に立っているのが魚藍観世音菩薩立像(ぎょらんかんぜおんぼさつりゅうぞう)。
魚藍観音?・・・・初めて聞いた。確かに左手に提げた籠の中に魚が入っており、魚と関係がある観音様であることは一目瞭然だが・・・・・
どうやら、魚商をしていた美女が実は観音の化身であったという、支那の唐時代に伝えられた伝説から信仰が流行したとのことだ。
しかし、世代閣で私の眼を一番ひきつけたのは奈良時代の作とされる十二神将像だ。一体ずつの個性が際立っており、ユーモラスを通り越して不気味とさえいえるものもある。見ていて実に飽きない十二神将であった。
世代閣をでてから、おじさんの案内で周囲の御堂に安置されている仏像を見て回り、己高閣と世代閣を後にした。
残暑の日差しが厳しいが、湖岸の山の上は風が通り気持ちがいい。
琵琶湖の北岸は、別名観音の里と呼ばれ多くの優美な観音像を見ることができるため、仏像好きは一度は訪ねてみたい場所である。
この地方には、己高山(ここうざん、地元では「こだかみやま」と呼ぶらしい)という古くからの信仰の山があり、かつては山頂の鶏足寺を中心に多くの別院や塔頭が立ち並んでいたらしい。
これらの寺は明治の廃仏毀釈を経て荒廃してしまい、それらの文化財を守るために昭和になって建設された収蔵庫が最初に訪問した己高閣(ここうかく)と世代閣(よしろかく)である。
己高閣には主として鶏足寺を中心とした己高山の諸仏が、世代閣にはその他の周辺寺院の文化財がおさめられている。
かなり狭い登り道を車で上がると駐車場があった。収蔵庫向かいの事務所からおじさんが出てきて己高閣の鍵を開けてくれる。ガイドブックには90体の仏がおさめられていると書いてあったので大きい施設を想像していたのだが、意外と小さい一室だけの収蔵庫だ。
収蔵庫をはいると正面には観音寺の十一面観音があった。この地方は十一面観音の宝庫であり、この観音様が一人めということになる。かなり傷んでいるがバランスのとれた美しい観音様だ。かなり彩色が残っている。
この収蔵庫で一番目をひくのが右側に並ぶ平安時代の七仏薬師如来立像である。七薬師というのは初めて見た。己高閣以外には千葉の寺の一例があるのみなのだそう。前から見るとふくよかなのだが、横から見ると全体的には板状の体形をしている、つまり半分レリーフのような作りなのだ。当時の彫像技術の一端がうかがえて面白い。
その他、兜跋毘沙門天など相当に傷んだ仏像がいくつかあり、寺の荒廃の様子が想像できる。
上部の棚には小さな仏像が並んでおり、これらを全部合計すると90体ということで、収蔵庫の大きさに納得して次の世代閣へ移る。
世代閣は己高閣のすぐ後ろにあり、ほぼ同じ大きさの建造物である。
世代閣の内部正面には、とてもふくよかでどっしりとした薬師如来が鎮座している。そして右側に立っているのが魚藍観世音菩薩立像(ぎょらんかんぜおんぼさつりゅうぞう)。
魚藍観音?・・・・初めて聞いた。確かに左手に提げた籠の中に魚が入っており、魚と関係がある観音様であることは一目瞭然だが・・・・・
どうやら、魚商をしていた美女が実は観音の化身であったという、支那の唐時代に伝えられた伝説から信仰が流行したとのことだ。
しかし、世代閣で私の眼を一番ひきつけたのは奈良時代の作とされる十二神将像だ。一体ずつの個性が際立っており、ユーモラスを通り越して不気味とさえいえるものもある。見ていて実に飽きない十二神将であった。
世代閣をでてから、おじさんの案内で周囲の御堂に安置されている仏像を見て回り、己高閣と世代閣を後にした。
残暑の日差しが厳しいが、湖岸の山の上は風が通り気持ちがいい。
by mec666cem
| 2008-09-16 10:05
| 仏閣・神社